夏が過ぎ去るころに、田んぼの脇や、川辺、墓地などで赤い花を咲かせる彼岸花。
彼岸花(ひがんばな)という名前から、敬遠されたり嫌がられる方もいるかもしれません。
また毒があることは知っていても、どんなことに気を付けるべきか、万一の時にはどうしたらいいかまではピンとこない方が大半だと思います。
お彼岸が来る前に、今回は彼岸花について紹介したいと思います。
目次
彼岸花ってどうして彼岸花って言うの?由来は?
彼岸花ってどうしてそう呼ばれるようになったのでしょうか?
その由来には、いくつか説がありますが、秋のお彼岸の時期に花を咲かせることから、その名がついたとされているのが一番有名です。
また、彼岸花には毒があるため、食べてしまうと彼岸しかない・・・つまり死しかない、とされたことからその名がついた、とも言われています。
ちなみに学名は、リコリス。リコリスって言われると、全然印象が違いますね。
曼殊沙華(まんじゅしゃげ)とも呼ばれる彼岸花。なんとその別名の数は1000個ほどもあると言われています。
皆さんの地元では、なんて呼ばれてますか?
彼岸花の毒ってどこにあるの?中毒症状、致死量は?
毒があることでも知られている彼岸花ですが、実際にどこに毒があるのか、どんな影響があるのかを知っている方は少ないかもしれませんね。
毒はどこにある?
彼岸花は、花、葉、茎等場所に限らず、花全体にリコリンをはじめとした有毒アルカロイドを持っており、中でも球根(鱗茎)部分に毒が多く含まれています。
しかし、手で触れるだけでは、危険なことは何もありません。
誤って食べてしまわなければ、怖がる必要はないんです。
中毒症状は?致死量は?
彼岸花の毒は、下痢や腹痛、吐き気、嘔吐等を引き起こします。
場合によっては中枢神経麻痺や、呼吸困難に陥ることもあります。
しかし、リコリンの致死量は10gですが、彼岸花の球根1gに含まれるリコリンは、0.15g。
誤ってかじってしまったくらいでは、致死量に到達することはありません。
彼岸花の毒抜き方法は?
彼岸花の毒は、水溶性のため長時間水にさらすことで、毒抜きをすることができます。
では、具体的にどうやって行うのか見ていきましょう。
彼岸花の毒抜き方法
- ゴム手袋をします。→触れるだけでは危険はありませんが、肌の弱い方だと切ったときに出る汁等で手が荒れてしまうことがあります。
- 鱗茎の外皮を剥きます。
- 大根おろしのように、おろし金ですりおろします。もしくはすり鉢ですり潰します
- きれいな水にさらします。→水洗いを何度も繰り返し行います。水を入れ替えながら、7.8回が目安です。
- 鍋で煮込みます。
- 天日干しにて乾燥させます。
- 粉末状にします。
このような手順で行うことで、彼岸花の毒抜きができます。
作業自体は難しいことはありませんが、不慣れな方が行うのは危険もあります。
慣れた方と一緒に行うのが望ましいですね。
彼岸花は、食用や薬用に活用できる?
毒抜きした彼岸花は、食用にもできるのでしょうか。
昔は彼岸花を食べていた?
その昔、食糧難になると、彼岸花は貴重なエネルギー源として活用されたと言われています。
彼岸花は、毒があるため、年貢として納める必要がなく、その毒性を利用しネズミやモグラから畑を守るため、
田んぼや畑の周りにたくさん植えられていたので、毒抜きをして得られたデンプンから、お団子を作って食べていたそうです。
薬用にもなるって本当?
毒を持つ彼岸花ですが、薬としても使われてたのは、ご存知でしょうか。
彼岸花は、石蒜(セキサン)やヒガンバナ根という漢方薬として用いられることがあるんです。
効能としては、炎症を抑えたり、利尿作用等があり、むくみを解消したり、肩こりや関節の痛みを和らげると言われています。
また、彼岸花に含まれるガランタミンという成分は、アルツハイマー病や、脳血管障害を原因とする記憶障害の治療に用いられています。
民間療法では、すり潰したものを湿布代わりに、足の裏などに塗りつけて使用したりすることもあるようですが、いずれの場合も使用には注意が必要ですので、安易に使用しないようにしましょう。
小さな子どもや、ペットの犬猫を守るには?
毒のある花というと、小さなお子さんのいるママや、ペットを飼っているご家庭は、心配もあるかもしれません。
しかし、先ほどご紹介した通り、触るだけでは危険はありませんので、お子さんが口に入れてしまわないように気を付けてあげれば、
彼岸花が咲いているところをお散歩しても問題はありません。
触ってもいいけれど、口にいれてはいけないお花だと教えてあげましょう。
といっても、小さいうちは、なんでも口に入れたがるものですので、目を離さないようにしましょうね。
またペットの場合は、お子さんのように言い聞かせることができないため、お散歩コースには注意をしてあげたほうがいいかもしれません。
人間よりも体が小さいので、毒の影響を大きく受けてしまうこともあるかもしれませんので、大切な家族の一員であるペットを守ってあげましょう。
まとめ
今回は、彼岸花の由来やその毒性、毒抜き方法などについてご紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか。
敬遠されがちな花でもありますが、正しく理解すれば怖がることはありませんので、鮮やかな赤い花を楽しみに過ごしていきましょう。
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