手紙や書類を書いていて「あれ、この場合どっちの漢字を使うのが正しいんだっけ?」となることって多いですよね。
間違ってるとちょっと恥ずかしい!?正しい使い分けができるとちょっと誇らしい!
今回はそんなややこしい漢字の中から、「十分」と「充分」の違いをご紹介します。
目次
十分と充分、意味に大きな違いはなかった!
早速結論から書くようですが、この二つの「じゅうぶん」、大きな意味の違いはないんです。
「物事が満ち足りている、不足がない状態である」
どちらの漢字で書いても、その意味は伝わるわけです。
では何のために?どう使い分ける?
「じゃあどっちか片方で良くない?」と思ってしまいますよね^^;
でも、ちゃんと使い分け方があるのです!
数えられるものが足りている場合は「十分」
まずは「十分」の方を見ていきましょう。
こちらは「数えられるものが不足していない状態」のときに使います。
十というのは数字の10で、100%を示します。
他人から見ても足りているかどうか判断できる、というのも使い分けの目安です。
例文としては
・目的地までのガソリンは十分に入っている。
・会議の資料は十分に用意した。
などがあります。
精神的に満たされている、満足している場合は「充分」
次は「充分」の使い方です。
「充分」は、充分や充足などに使われる「充」の字が入ってます。そのことからも分かるように精神的に満たされている、満足しているという状態の時に使います。
「十分」と大きく違うのは「満足しているかどうかは本人しか判断できないこと」つまり主観的な意味合いをもつんですね。
例文としては
・お気持ちだけで充分です。
・もう充分いただきました。
などがあります。
迷ったらどっち!?間違いないのは「十分」
使い分けは分かったけど、実際生活の中で使うとなると迷うときってありますよね。
そんなときは「十分」の方を使うことをオススメします。
もともと「充分」は後から使われるようになった当て字、とされてきました。教科書などでも「十分」で統一するようになっています。
ただ、「充分」も憲法の一文でも使われており、決して間違った文字ではありません。
むしろ「こういうときは充分を使った方が分かりやすい」という場面もあります。
気をつけたい!ややこしい場面での使い方
では「充分」を使った方が分かりやすい場面というものを見ていきましょう。
・彼は十分仮眠をとった。
こういった使い方をすると、「10分間仮眠をとった」なのか、はたまた「心身をしっかり休められるほど仮眠をとった」のか、ハッキリと意味が伝わらない場合があります。
こんなときは「充分」を使った方が分かりやすいです・
・電車の出発までは十分時間がある。
これなんかもその仲間ですね。
なかなか意味深!?言葉の奥の意味の取り方
言葉遊びではありませんが、なかなか興味深いなと思いました。
夫が「僕は生活に十分な給料は稼いでいる」と思っていても、妻は「夫は充分な給料を稼いでこない」と思っているかもしれませんよね。
また、「これだけしてやったんだからもう充分でしょ!」と他人が言っても、それが果たして「充分」なのかは本人にしか分からないわけです。
ちょっとウフフとなってしまいました。
荒んだ例えですみません。
十分と充分の違いまとめ
いかがでしたか。
・「十分」は数値的に満たされているさま
・「充分」は精神的に満たされているさま
・迷ったときは「十分」を使う
・10分間、と混同しやすい使い方の時は「充分」がオススメ
ということでした!
200リットルのコップになみなみと水が入っている状態が「十分な量」。
でも、それを飲む人が満足できるなら、半分の100リットルしか入っていなくても「充分な量」になるのですね。
難しいですが日本語って面白いですね。
使う際にちらりと思い出していただけたら嬉しいです。
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