赤味噌と白味噌の違いはと使い分けは?塩分や地域で変わる?

赤味噌

一概に味噌といっても色・味に違いがあるものがたくさんありますよね。

旅行先で出たお味噌の味にびっくり、感動!ということがありました。

同じお味噌なのに、なんでこんなに違うんでしょうか。

赤味噌、白味噌とは

味噌とは、大きく分類すると、米味噌・麦味噌・豆味噌・調合味噌と4つに分類されています。

分類の仕方もいくつかあって、原料による分類と、味による分類、色による分類とあります。

原料による分類
・米味噌
・麦味噌
・豆味噌
・調合味噌
と分かれます。

味噌は大豆から作られますが、大豆と合わせる麹の種類によって名称が変わってきます。

米味噌・麦味噌・豆味噌を混ぜ合わせたものを調合味噌といいます。

現在、日本で作られているお味噌の8割は米味噌なんだそうです。

味による分類
・甘味噌
・甘口味噌
・辛口味噌
となります。

これは、単純に塩分量の違いだけでなく、「麹歩合」という大豆に対する米や麦の比率の違いになります。

塩分が一定なら、麹歩合が高いほうが甘口、ということになります。

色による分類
・赤系味噌
・淡色系味噌
・白味噌
となります。

色は、大豆の原料の種類、加工の仕方、麹の量、発酵の途中でかき回すかどうかなどの条件の違いで変わってきます。

赤味噌と白味噌、というのはこの色による分類だったんですね。

赤味噌、白味噌違いは製造方法

赤味噌と白味噌は、色の違いということがわかりました。

色の違いは、製造方法の違いだったのです。

発酵時に起こる反応によって色の濃淡が変わってきます。

発酵時に起こる反応が十分に進んでいる味噌を赤味噌、反応をできるだけ抑えたものを白味噌といいます

1.赤味噌のつくり方

赤味噌

赤味噌は、反応を促進させるために、大豆を蒸して作られます。

大豆のたんぱく質が分解され、アミノ酸になると、糖と反応して褐色になっていきます。

さらに長時間熟成させることによって、反応が進み濃い色に変わっていきます。

2.白味噌の作り方

白味噌

白味噌には反応を抑えるための工夫がされています。

糖を取り除くために、白味噌では大豆を蒸すのではなく煮ているのです。

これにより、大豆中の水溶性の糖を煮汁と一緒に取り除くことができます。

さらに、皮にも糖が含まれているので、皮の処理も行います。

白味噌は高温・短期の熟成で反応を抑えています。

完成した白味噌は、高温の所に保存しておくと色が変色してしまうので、保存は冷蔵庫で行うとよいでしょう。

栄養価・効能・塩分の違いは?

赤味噌と白味噌では、塩分や効能・栄養価は変わってくるのでしょうか。

製造工程が違うだけの赤味噌と白味噌ですが、それだけで栄養価にも違いが出てきます。

1.赤味噌

赤味噌の場合、長時間熟成させる必要があるので、塩分量が10%とやや高めになります。

赤味噌には「ペプチド」と「メラノイジン」が含まれています。

赤味噌は、抗酸化力が高く、代謝を促進させ、中性脂肪・コレステロールを抑える効能があります。

そのため、赤味噌は朝に摂取すると体が活性化する働きがあります。

2.白味噌

白味噌の場合は、短期熟成ですので塩分量が5~7%と低めになります。

白味噌には「GABA」が豊富に含まれています。

「GABA」は、天然アミノ酸で、主に脳や脊髄で活躍し、脳の興奮を抑制したり、酵素を送り込んだりして、ストレスによる苛々を軽減させることが出来ます。

リラックス効果も期待できるので、白味噌は夜に摂取すると良いでしょう。

こうした効果により、心地よい眠りを促してくれます。

3.赤味噌と白味噌共通の効能

・大豆イソフラボンが豊富に含まれているため、加齢による女性ホルモンの低下をサポートしてくれます。

・発酵食品のため、腸内細菌が増加し、免疫力をアップさせる効果が期待できます。

・メラニンの合成を抑制する働きがあるため、シミ・そばかす予防にも効果があるとされています。

地域で違いはあるの?

うどんの出汁や醤油が関東と関西で違うように、味噌も地域により様々な種類があります。

農林水産省のホームページでは“お国自慢みそマップ”として地域による味噌マップを公開しています。

それによると、
愛知県・岐阜県・三重県:豆味噌(東海豆味噌)
九州・山口県・愛媛県 :麦味噌
上記以外       :米味噌

とあります。

赤味噌は:北海道味噌・津軽味噌・仙台味噌・秋田味噌・江戸甘味噌・会津味噌・越後味噌
白味噌は:信州味噌(淡色辛口)・府中味噌・讃岐味噌・関西白味噌

とたくさんの種類がありました。各地方の気候などにより少しずつ製法が違い、地方色が豊かな味噌が作られています。

赤味噌と白味噌の使い分け

材料は同じでも製法や熟成期間によって色や味が大きく変わる味噌。

お料理によって使い分けると、より美味しさが引き立ちます。

赤味噌のおすすめ

赤味噌

塩分濃度が高く、辛味とコクと旨みがある赤味噌は煮込み料理や香りを引き立たせたい料理がおすすめです。

疲労時の塩分補給に味噌汁などは最適です。

味噌煮込みうどん・肉味噌炒め・味噌だれなど、食が進みそうですね。

白味噌のおすすめ

白味噌

塩分濃度が低く、色が薄い白味噌は、甘味が生きる料理がおすすめです。

酢味噌和え・田楽・白味噌仕立ての味噌汁などが美味しいですね。

効能の部分でも記しましたが、赤味噌は体に活力を与えるので朝、白味噌は興奮やいらいらを抑える効果があるので夜に摂取すると良いでしょう。

まとめ

味噌は毎日の食卓に欠かせない食材です。

発酵食品ですので、なんとなく体にいいんだろうぐらいにしか思っていなかったのですが、アンチエイジングにもダイエットにも効果が期待できる優れた食品であることがわかりました。

朝の赤味噌味噌汁で体を目覚めさせ、夜は白味噌仕立ての味噌汁でホッと落ち着く。

味噌には素晴らしい効能がたくさんあるのですね。

たくさんの味・種類があることですし、食生活を見直すとともに、自分のお気に入りの味噌を探して毎日の食卓を楽しむのもいいですね。

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