プルプルツルツルして冷たくて、夏に美味しい食べ物といえば、ところてんとか、寒天とか、葛切りですよね。
見た目はそっくりなのですが、これらの素材は一緒なのでしょうか?
寒天は低カロリーって聞くけど、ところてんや葛切りもダイエットに向く食材なのでしょうか?
目次
ところてんと寒天と葛切りの違い・製造方法とは?
ところてんと寒天の素材は同じで、天草やオゴノリなどの紅藻類(海藻)から出来ています。
ところてんの原料と作り方
ところてんは、天草を材料として煮溶かし、発生した寒天質を型に流し込み、冷やし固めて成形して作る食品です。
「天突き」という押し出し型に入れて突くと、細長い麺のような形状のところてんが出来上がります。
寒天の原料と作り方
寒天も素材は同じですが、ところてんと違うところは一度乾燥させるというところです。
天草を煮溶かして型に入れて冷やし固めるところまでは同じですが、寒天の場合は固めたところてんを凍らせ、水分が抜けるまで乾燥させたものを寒天といいます。
葛切りの原料と作り方
葛切りの場合は葛粉というデンプン由来の粉が素材となっています。
まず葛粉を水で溶かし、型に入れてから加熱、板状に固めます。その後うどんのように切って食べるものです。
栄養価の違い
見た目がそっくりなところてん・寒天・葛切りですが、栄養に違いはあるのでしょうか。
ところてんの栄養
- ところてんは全体の98~99%が水分で、100gで約2~3kcal。
- ところてんの栄養として最も多く含まれているのは食物繊維。
腸内の善玉菌を増やして腸内環境を整える働きがあります。
食物繊維が多く、便秘解消に役立ち、便とともに体の老廃物も一緒に排出してくれるんです。
便秘解消・老廃物排出という効能により、肌荒れ解消・美肌効果にも効果が期待できます。
他に含まれているのはカリウム。
カリウムはナトリウムの排出を促し、血圧上昇を防ぐ効能があります。
さらに、肝臓に溜まった老廃物の排出も促してくれるので、高血圧予防とむくみ解消という効果もあるんです。
また、カルシウムも含まれているため、筋肉の動きをサポートする働きに加え骨を丈夫にしてくれるのです。
マグネシウムなどの栄養素で、高血圧・高脂血症・動脈硬化・糖尿病予防にも効果を発揮します。
寒天の栄養
原材料が同じ天草のため、寒天の栄養もところてんと非常によく似ています。
寒天の栄養素です
- アガロペクチンという食物繊維
- ガラクトース
- ヨウ素
アガロペクチンという食物繊維を構成する成分には、コレステロール低下に有効な栄養素も含まています。
ドロドロの血をサラサラにする作用もあるので、動脈硬化や高脂血症の予防に効果が期待できます。
さらに、ガラクトースという乳糖を構成する成分が含まれており、乳児の成長を促す働きもあるのです。
ヨウ素という、全身の細胞の新陳代謝を助ける成分も含まれています。
ヨウ素は特に子供の脳の発達に深く関わる栄養と言われています。
寒天に含まれる食物繊維は、便秘解消に繋がりますので、肌荒れの改善・口臭・体臭の改善にも効果が期待できるのです。
葛切りの栄養
葛切りの原料は、秋の七草であるマメ科の植物・葛の根のでんぷんから生成された葛粉です。
主な栄養成分
- 炭水化物、脂質、タンパク質、マグネシウム
- カルシウム、ダイゼイン
- フラボノイド、サポニン
ダイゼインには筋肉の緊張緩和・抗炎症作用・下熱などの働きがあります。
フラボノイドには血管を拡張する働きがあり、高血圧などに効果があります。
葛は昔から薬としても使われており、有名なのは、風邪の初期症状に効くという漢方薬「葛根湯」です。
葛には血行促進効果があるため、体を温める働きもあるため、風邪にいいんですね。
サポニンにはコレステロールの除去や動脈硬化の原因となる過酸化脂質の生成を抑える効果もあり、糖尿病や肥満の予防にいいとされています。
ダイエットにいいのはどれ?
寒天・ところてん
ダイエットをしている時にはカロリーを気にしますよね。
100gあたりの寒天やところてんのカロリーは2~3kcalでとても低カロリーです。
栄養のところにも示しましたが、食物繊維も豊富なので便秘解消ができ、美肌効果にもつながります。
食前に食べると、満腹感が得られやすいので、食べ過ぎ防止になります。
間食(おやつ)として食べるとカロリーカットに!
おやつを我慢してストレスになるよりは、低カロリーで腹持ちが良いところてんや寒天にするとストレスを感じることなくダイエットに励むことができそうです。
主食を寒天やところてんに置き換えると糖質カットになり1食の摂取カロリーを抑えることができます。
カロリーが低いからといって食べ過ぎには注意しましょう。
ところてん・寒天は99%が水分で、含まれているのは食物繊維やミネラルのみ。
タンパク質や脂質、糖質、ビダミンなどが含まれていないためそればかりを食べていたら栄養不足になってしまいます。
栄養バランスに気をつけて、過度なダイエットをしすぎないように注意してください。
葛切り
葛切りは葛粉のでんぷんからできているので、主成分は炭水化物です。
葛切りの100g当たりのカロリーは約135kcal。
うどんが105kcal、白米は356.1kcalなのでうどんよりも高カロリーですね。
葛切りに含まれる糖質量は100g当たり約33.3gですので、うどんの糖質量約20.8gよりも多いとは驚きです。
葛切りはそのもの自体に味がないため、そのまま食べるのではなく、黒蜜をかけたり、鍋などに入れたりして、濃い味にしてしまいがちですが、そうするとさらに高カロリーになってしまうので注意が必要ですね。
ただし、葛切りには体を温める働きがあるため、体の代謝がアップして、消費カロリーを増やすことができます。
葛粉には腸内環境を整える効果があるので、便秘解消やデトックス効果も期待できます。
葛切りをダイエットに使用する場合には、100%の葛粉を使用しましょう。
他の粉では効果が変わってしまうので注意が必要です。
まとめ
見た目はそっくりなところてん・寒天・葛切りですが、それぞれに効果・効能があるとわかりました。
低カロリーでダイエットにも最適ではありますが、取りすぎ注意などの気をつけなければいけない点もありました。
一日の食事の中でこれらの食材を上手に取り入れて、ストレスなくダイエットを楽しみましょう。
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